1996年の夏、その日はすっごく疲れていて、おまけに喉の奥に水ぶくれができて唾を飲み込むのも辛かった。
京セラビルで賃貸契約が無事に終わり、ヘトヘトながらもほっとして明治神宮前駅に向かう帰り道、気になっていた螺旋階段が目に止まった。
保育園のお迎えまでの少しだけ時間がある。
普段は一人で喫茶店に入る時間も余裕もなかったけれど、今日はいいんじゃないか、と勇気を出して階段を登ってみた。
ジャズのレコードがかかり陽が気持ちよくはいる店内、お店のお姉さんはにっこりと迎え入れてくれました。
カウンターには常連さん、生まれて初めてデザイナーと書かれた名刺をいただく。(そのお客さんは、今も店に通ってきてくれる。)
この街に「どうぞこれからよろしくお願いします。」という挨拶をした日でした。
コースターの絵は和田誠さん。
お店が赤坂へ移転することになり、週刊文春の表紙にこのお店「ボロンテール」が描かれたこともありました。
今日オペラシティの和田誠展、壁を埋め尽くす40年分の週刊文春の表紙の中からその絵を見つけ、またあの螺旋階段に会えました。
和田誠展、一日中見ていたかった。
よかったらどうぞ観に行ってくださいね。
地下の餃子も美味しいです。